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サイフがない

NYの影
 雨がどしゃぶりの日。
「タカシ、財布とられたの、寮まで戻れそうにないんで来てくれない。」と泣きそうな優の声。大学の寮で本を読んでいたときだった。
 優はソウルからケニディー空港まで同じ便で、その後偶然にコロンビア大学で同じ語学研修生として出会うことになる。画家になるためのステップとしてここで語学を学びながら、NYの芸術専門学校のことを調べていた。私は彼女によく連れられていろんな美術館に行き、そのころ全く興味のなかった絵画を見ていたのだが、モーマ美術館のポップアートや写真アートには特別の感銘をうけることになる。
 この日、優は帰国を間近に控えミッドタウンに1人で買い物に出かけていた。そして、いつの間にか財布がすられて一文無し、最悪なことに笠を持っていってなかったらしくびしょぬれで、周りの人たちに事情を説明して金を貸してくれとお願いしてまわったらしいが、そのうちに自分の居る場所さえも分からなくなってしまって混乱しているみたいだった。
「すぐに行くけどどのあたりか分かるか?」と聞くが、「どこか全然わからない」電話の向こうでは雨の中を走る車の音と、足音が聞こえてくる。とりあえず地下鉄の駅を探して、また電話するということになった。
 それから電話もなく3時間がすぎたころ、ひょっこり優が部屋のドアをノックして入ってきた。「どうして電話せんかったん」ついかっとなる。「駅を見つけきれんかった」優の顔は疲れてはいるがうれしそうな顔をしている。結局電話を切った後2時間も雨の中、笠もささずに歩き回り、泣きじゃくって雨宿りしていたら、シカゴのなんとかという会社の社長と名乗るアメリカ人がポンと100$をくれ、地下鉄駅の場所を教えてくれたらしい。
 なんという親切な人だろうか。はっきり言ってあまりNYで人の言うことを信用するには疲れることが多いと思う。子どもが3人もいるのに仕事がなくてもう一週間も食事をしてないんで、恵んでくださいと言っておきながら、そのお金でドラッグ買ってるやつらがたくさんいる。もちろん、そうでない人たちもたくさんいるのだろうが、見分けるのは難しい。
 今(1994年)のアメリカの経済はまだまだ足踏み状態だった。クリントンが選挙に勝ち、これからアメリカの経済を立て直す、という言葉にみなが希望を持ち、少しずつではあるが景気が上向きかけていた頃で、しかし、あいかわらず路上のホームレスの数は減ることなかった。紙コップをもちそれを揺すりながらお金をもらう黒人たちの影はたいていどこに言っても見ることができた。私も最初のうちはその言葉を信じコインを置いていたのだが、友達になった黒人の人たちが言うには「あんなのにだまされるなよ!」とバカにされるた経験がある。優の場合はとても18歳に見えない幼さが彼女を助けたのではないだろうか。東洋人だったからかもしれない。
 吉田ルイ子さんみたいに写真ががあれば訴えかけるインパクトも違うだろうが、その当時はあまり写真に興味がなく殆ど写真がない。

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