理想の箱|パラオダイバーズネット

パラオダイバーズネット >  コラム  > 理想の箱

大きな地図で見る

コラム

カテゴリー&サイト内検索気になるワードはここからチェック!


マーメルダイバーズ
    
連絡先:マーメルダイバーズ
palaudivers488@gmail.com
ライン:tatamix76
WeChat:tatamix88
パラオ内
TEL680-488-8029
日本内
TEL080-3229-8929

理想の箱

時は大学生1年生。 北九州には、大きく分けて3つの大きな学生イベント・サークルなるものがあった。そのうちのジャーミンという北九州工業大学が主に始めたサークルに、北九州大学生としては最初に参加し、後4カ月で、辞めて新しいサークルを大学仲間の小山と始めることになる。 それまでは、ディスコがナンパの場所として活気をもっていた。その勢いと、小銭稼ぎと、バブル景気がさいわいして、その大型ディスコを貸し切り、パーケンをさばき、勢力を拡大していったサークルが3つ。 しかし、私が北九州の小倉に大学生として、1人暮らしを始めたときには、その勢いは全くなく、安いチェーン店の居酒屋での合コンたるものが、大学生の出会いの場として変わっていた。3つのサークルもマンネリ化とパーケンがさばけないので、ただの男女あさりの餌でしかなくなっていた。 それで、本当に音・人・踊りが好きな人たちの、集まる場所を求めて、小倉の街をうろうろするうちに、駅からは遠く離れた、車かタクシーでしかいかないだろうと思われる小さなクラブを見つけた。名前は忘れたが、とにかく夜もたまに車が1台路駐されているだけで、お客さんらしい人の出入りを見ることはない。試しに行ってみようとするが、そのときの彼女が小倉の人間で、しかも前の彼氏がこの店に出入りしてたらしく、行きたがらない。しょうがなくおそらく同じ系列と思われる隣の小さい輸入プティックに昼間いってみることにした。 シーナさんという色白の体の小さなお姉さんがオーナーで、お客さん少ないみたいでいろいろ話している内に、ここに店を出してそうたっていないこと、隣のクラブはこのシーナさんがブティックを閉めた後に、開けることなどを聞き、その後週に3ー4回は顔を出すようになる。 隣のクラブも以前とオーナーもお店の名前もかっわた(つまりシーナさん)ので、彼女の元彼氏が現れることもなく、日が暮れると、友達を連れてよくいった。なんせお客が全くと言っていいほどいないもんだから、ターンテーブルで、レコードを選び曲をつなぐ練習したり、踊りの練習したり、テーブルをはずしても50人そこらしかはいらないハコが、その時のすべてだったように思う。 そのうちイベント・サークルを辞め、ここで好きな連中とだけ、遊べる機会を起こすべく、パーティーを月1回でするようになる。そう思い出した、ここの名前はバック・ワームだ。 駅からは離れているが、国道沿いにあり、周りはマンションや小さなオフィス、安くて量が多いだけが取り柄の中華食堂しかなく、人通りも少ない。車を駐車できるところもなく、いつも駐禁を心配していた。2回駐禁のシールを張られた。クラブの入り口を入ると真っ暗で、中は牢屋みたいな鉄格子がはりめぐらされていて、その中にダンス・フロアとDJブース。あと8人くらいが座れるカウンターと奥にトイレ。照明はごくシンプルで、暗い、あやしいがコンセプト。 2階では、多分シーナさんの男と思われる、髭をたくわえたおじさんが、デスクに向かってなにやら仕事をしていた。たまに、2階で近くのコンビニで買ってきた弁当を食べてたりしても、気にすることもなく、もくもくと何かをこなしていた。シーナさんも懐事情がよくないためか、いらいらしてこの人とよく喧嘩していたのも何度か見たことある。いったい彼は何をしていたんだろうか? そのうち、ゲイとかもよく出入りするようになり、ここでパーティーをやるようになった。私もお店を手伝うようになった。毎週、合コンの話をここに持ってきた。うちらのパーティーもうまくいっていた。どうにかこのお店も軌道にのりそうだった。シーナさんも気分が乗ってきた。 それからしばらくして、2階の男と喧嘩をするシーナさんをよく見るようになった。顔にあざができていて、それを化粧で隠しているときもあった。それから私はしばらくアメリカに放浪の旅にでることした。旅から帰ったときには、クラブは昼間レストランとして営業するようになり。照明が増え、気持ちのいい健康的なハコになってしまっていた。夜の営業はやっていたが、内装のかわってしまったバック・ワームには以前のおれたちの空間ではなく、カップルのよく出入りするただのバーだった。 たぶん2人で言い争った結果、こうなったのだろう。シーナさんをせめることはできないが、やっぱり足は遠のいてしまった。結局その後この店舗は、半年後に入居者募集になっていた。