桟橋補強工事1|パラオダイバーズネット

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桟橋補強工事1

毎日、朝起きるとクラブ・ハウス前の桟橋を見る。風向き・強さ・天気を確認して、その日のスクーバ・ダイビングで潜るポイントを決めるからだ。もう1年半くらい続いている週間である。魚影が濃いときは、糸をたらすこともある。
 その桟橋の補強をする事になった。もちろん、私1人ではなく、もともとこのカープ島には、フィリピン人4人、バングラディシュ人2人の計6人の大工さんがいる。いつもはコテージを造ったり、修理したりしている。あと、現地のパラオ人スタッフ10人のうち、ダイビングのスケジュールにあふれている4ー5人。それから私も含め4人いる日本人スタッフのうちの3人。
 それに、うちの社長が臨時にフィリピン人を20人ほどひっぱってきた。彼らはフィリピンに住んでいる漁師さんたちで、一定期間の契約である会社の船に乗り、外洋漁業をしていた。パラオ200海里の中で漁をしているところをみつかり、パラオ政府に捕らえられたが、それだけの人数を収容できる牢屋があるわけでなく、無償で提供される労働力である。長くて2年だが、お金を払えれば、フィリピンに帰れるらしい。現に何人かはお金を払い帰っているとのこと。各自、肩に背負えるくらいの小さいサック袋に、持ち物を詰め込み、島に移り住んできた。
 全部で日によって多少の上下はあるものの、30人くらいの大工事が明日からはじまる。

  カープ島の90%はジャングルである。そのたった10%の砂地に、リゾートとスタッフの住居がある。そのジャングルに、各々ナイフ・チェーンソー・鎌を持ち、マングローブの木の生い茂る場所へ歩いていく。
 ジャングルには、鳥・コウモリ・昆虫・山がに・へびなどの様々な生物が住んでいる。今は見なくなったが、以前はワニが水辺によくいたらしい。その中でも我々をいつも悩ましてくれるのは、蚊とニック・ニックと呼ばれる生き物だ。ニックニックとは、電球とかに夜たかっている虫くらいのサイズの小さい虫だ。ほとんど肉眼では見えない。
 ちょっと油断して動かないでいると、30秒後にはどことなくかゆみがでてくる。特に、手首・足首は赤い斑点だらけになる。数日間は寝付きの悪い夜を過ごすことになる。
 虫達と闘いながら、一本一本まっすぐに育ったマングローブの木を切り倒していく。枝をナイフでおとし、皮を棒で叩いて剥ぐ。一週間で約60本の材木を切り出した。お金にすればけっこうな額になるのだろう。
 これからがまた大変だ。ビーチまで歩いて10分。だが、大木を運ぶとなると、それが20分にも30分にもなる。木にも2種類あって、比較的軽い種類のは、肩に直接数人でしょって運ぶことができる。重くて、直径が80cmもあろうかという木は、ロープと補助棒を使い8人くらいで運ぶ。泥と汗にまみれ、始めジョーダンばっか言ってたパラオ人たちも、無口でひたすら運んでいる。 今日は日曜日。みんなバスケをやったり、トランプしたり、ギター片手に歌ったりと、思い思いに楽しんでいる。給料なしの強制労働を、この半年パラオ中でさせられてきたフィリピン人たち。この島での生活が好きだという。この前は、パラオの首都コロールの北に位置するバベルダオブ島で、道路整備をしていたという。バベルダオブ島は、パラオ最大の島なのだが、西洋諸国との貿易がコロールで行われたため商業がなく、みんな昔ながらの南の質素な生活を送っている。空港設置計画とともに、最近開発の手が伸びてきて、道・電気の工事を政府主導でおこなっている。それに彼らもかりだされたのだ。
 その内の1人に床屋さんがいて、うちの島のスタッフも含めみんなの髪を、はさみ一つで散髪してくれている。もちろん無料だ。慣れた手つきで、次から次に終わらせる。速い。駅前散髪といった趣だ。しかし、私は遠慮することにした。
 次の日、全員で満潮の時間を待って、ボートでビーチまで乗っていき、切り出した材木を桟橋まで運ぶ。浮く木もあり、沈むのもある。2・3本をロープでくくり、どうにか浮くくらいの状態にする。それを2人で、胸までたっぷる海水につかり、島の押して行く。島の裏のビーチから桟橋まで、時間で30分。浮かして運ぶため少し沖をまわるので、45分といったとこだろう。
 途中、パラオ 対 フィリピン 対 日本 の息こらえ大会をやることになった。日本代表の私はふがいないが30秒ともたず、ドンケツ。優勝はパラオ。これで20分は笑えた。パラオ人のデニスは、訳の分からぬタガログ語の歌を歌い叫んでいる。
 桟橋まで、もうすぐだ。


1999年3月5日 「桟橋補強工事2」-------------


                     

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